決算マニュアル

2020年7月26日

決算というと非常に難しい業務のように考える人が多いと思いますが、会社の事業内容と規模によっては、それほど難しくもありません。

とくに、ネットを主体とした小規模の会社であれば、社長一人で行うことも十分可能です。そこで、本マニュアルでは、ミニマム経営の状態を想定して、必要最小限の決算について、説明します。

決算で困っている方は、参考にしてください。また、もし、自分では「無理」という方は、税理士紹介ネットワークで、税理士さんを探してみるのも一つの手です。


なお、ご利用の会計ソフトが弥生会計20の方は、以下の記事を参考にしてください。

前提条件

  • 社長一人の合同会社
  • 事業概要は、情報メディアの企画および運営
  • 主な事業収入は、広告収入(アフィリエイト等)
  • 情報サービス業の為、製造業の様な原材料等の仕入れナシ
  • 会計ソフトは弥生会計を使用
  • e-Tax・eL-TAXが利用可能

決算申告の提出場所と必要書類

決算申告の提出場所と必要書類を、提出場所毎に、説明します。

税務署へ提出する必要書類

  • 決算書(貸借対照表、損益計算書、販売費及び一般管理費の明細書、株主資本等変動計算書、個別注記表)
  • 法人税の申告書
  • 消費税の申告書(消費税の納税義務がある場合)
  • 勘定科目の内訳書

各都道府県・市区町村へ提出する必要書類

  • 地方税の申告書

提出しない必要書類

  • 領収書、請求書等
  • 総勘定元帳
  • その他取引の証拠となる書類
  • (申告した書類の控)

決算申告期限

決算申告期限は、決算日から2ケ月以内です。

例えば、決算日が3月末日の場合は、決算申告期限は、5月末日です。

実際の決算手順

それでは、実際の決算手順を説明します。

決算書

決算書の作成は、会計ソフトを用いて行います。

以下の説明に関しては、弥生会計スタンダード19の例となります。

手順1

仕訳

決算というと、非常に難しいことのように思えますが、日々の仕訳入力をキッチリと行っていれば、それ程、大変でもありません。

また、仕訳件数が、それ程、多くないのであれば、日々の仕訳入力は、Excelで行うというのも一つの手です。

事業内容が変わらなければ、毎年、同じような時期に、同じような仕訳内容の項目が発生すると思いますので、前期の分をコピーしておき、日付、金額を、当期のものに変更していくというやり方をすれば、毎回、仕訳に困ることも少なくなるでしょう。

そして、決算時に、銀行口座等も参照しながら、会計ソフトに、まとめて入力するというやり方です。

具体的には、弥生会計を起動し、「帳簿・伝票」メニューの中から「振替伝票」メニューを選択します。

この「振替伝票」メニューは、すべての取引を入力できるメニューとなります。

「振替伝票」メニューを選択したら、「振替伝票」を新規作成する画面が表示されますので、「日付」「借方勘定科目」「借方金額」「貸方勘定科目」「貸方金額」「摘要」の各項目を入力していき、「登録」ボタンをクリックすれば、「振替伝票」の一つが出来上がります。(「伝票No.」は、「登録」すれば、自動で次々と採番されます。)

手順2

1回目の決算書作成

実は、最終的には「法人税、住民税及び事業税」を、決算ソフトに入力しないと、決算書は作成できません。

したがって、その納める「法人税、住民税及び事業税」を計算するために、1回目の決算書を作成します。

仕訳入力に漏れがないことを確認し、1回目の決算書を作成します。

具体的には、「決算・申告」→「決算書作成」をクリックします。

ポップアップ画面が表示されますので、「印刷」をクリックします。

これだけで、1回目の決算書作成は完了です。

手順3

法人税確定申告書作成

ここからは、e-Taxソフトを利用して、作成していきます。

最終的には、決算書(財務諸表)も含めて、e-Taxソフトを利用して、送信します。

手順3-1

e-Taxソフトを起動します。

手順3-2

「作成」→「申告・申請等」→「新規作成」の順にクリックします。

手順3-3

「申告」にチェックを入れ、「法人税・地方法人税」の税目および「平成30年4月1日以後終了事業年度分」の年分を選択し、「次へ」をクリックします。

手順3-4

作成する帳票を選択します。ここでは、「普通法人の確定申告(青色)」を選択するものとして説明を続けます。

手順3-5

作成する帳票を選択します。

今回は、ミニマム経営の会社でも最低限、関係しそうな以下の帳票を選択したものとします。

  1. 預貯金等の内訳書
  2. 売掛金(未収入金)の内訳書
  3. 買掛金(未払金・未払費用)の内訳書
  4. 借受金(前受金・預り金)の内訳書/源泉所得税預り金の内訳
  5. 借入金及び支払利子の内訳書
  6. 役員報酬手当等及び人件費の内訳書
  7. 別表2 同族会社等の判定に関する明細書
  8. 別表5(2) 租税公課の納付状況等に関する明細書の明細
  9. 別表5(1) 利益積立金額及び資本金等の額の計算に関する明細書
  10. 別表4 所得の金額の計算に関する明細書
  11. 別表1(1) 法人税額確定申告書・地方法人税額確定申告書
  12. 法人事業概況説明書
  13. (別表7(1) 欠損金又は災害損失金の損金算入等に関する明細書)

手順3-6

[手順3-5]で選択した各帳票を作成していきます。

各帳票の入力項目まで説明していくと膨大な量になりますので、ここでは割愛します。

また、住民税および事業税についても、ここでは割愛します。

手順4

2回目の決算書作成

2回目の決算書作成というのも、違和感があるかと思いますが、要は、「法人税、地方税、事業税」の額が確定したので、その額を、会計ソフトに仕訳入力するということです。

この額を入力することによって、最終の当期損益が確定するということですね。

手順5

決算書(財務諸表)書き出し

法人税確定申告データの送信にあたっては、一緒に、決算書(財務諸表)データも送信します。

したがって、会計ソフトから、一旦、決算書を書き出すのが一般的です。

具体的には、「決算・申告」→「決算書e-Tax・XBRL書き出し」→「決算書書き出し」をクリックします。

そうすると、以下の画面が表示されますので、「XBRL形式」を選択し、出力先の指定をして「書き出し」をクリックします。この保存場所をメモする等しておいて下さい。

手順6

決算書(財務諸表)組み込み

手順5で書き出したファイルを取り込むために、e-Taxソフトのほうで、操作します。

具体的には、帳票一覧画面にて、「帳票追加」をクリックします。

「財務諸表(XBRL2.1)」にチェックを入れ、「追加」をクリックします。

そうすると、以下のように、帳票が追加されます。「財務諸表(XBRL2.1)」を選択し、「帳票編集」をクリックします。

そうすると、以下の画面が表示されますので、「組み込み」をクリックします。

そうすると、確認メッセージが表示されますので、「OK」をクリックします。

手順7

電子署名を行う

手順7は、電子署名を行う手順です。

「署名可能一覧へ」→「電子署名」をクリックすると、署名可能な帳票が表示されます(下の例では一つだけです)ので、その帳票を選択し、「署名」ボタンをクリックします。

そうすると、以下の画面が表示されますので、通常は、「ICカードを利用」にチェックを入れ、「次へ」をクリックします。

次に、ご自分の認証局サービス名を選択し、「次へ」をクリックします。

そうすると、以下の確認画面が表示されますので、内容を確認の上、問題なければ、「OK」をクリックします。

手順8

申告書の送信

いよいよ、最後の手順です。

「送信可能一覧へ」→「送信」をクリックすると、送信可能な帳票が一覧表示されます(下の例では一つだけです)ので、その帳票をクリックし、「送信」ボタンをクリックします。

そうすると、以下のような受付システムログイン用暗証番号入力画面が表示されますので、通常は、「利用者識別番号と暗証番号によるログイン」にチェックを入れ、「暗証番号」を入力し、「OK」をクリックします。

以下のような画面が表示されれば、手続きは完了です。

ただし、下記にもある通り、正常に受信されているか、審査結果を必ず確認するようにして下さい。

総勘定元帳

総勘定元帳に関しては、提出は不要ですが、会社で保存しておく必要がある書類です。

会計ソフトで作成します。

と言っても、印刷するだけです。

「帳簿・伝票」→「総勘定元帳」をクリックした後、「印刷」ボタンをクリックします。

そうすると、印刷のポップアップ画面が表示されますので、印刷する勘定科目の設定項目で、「すべての勘定科目を印刷する」にチェックを入れ、「OK」をクリックして、印刷します。

以上となります。

ミニマムなら、それほど難しくはないと思いますが、いかがでしょうか。

やっぱり、税理士さんにお願いしたほうが無難だと感じた方は、税理士紹介ネットワークで、自分に合った税理士さんを探してみてください。


なお、クラウド会計ソフトを探している方は、以下の記事が参考になりますよ。